2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730309
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
松尾 智晶 県立広島大学, 総合教育センター, 准教授 (70468297)
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Keywords | 大学教育 / キャリア教育 / 人材育成論 / 組織間関係論 / 就職活動 |
Research Abstract |
就職活動を組織間協働と捉え、大学組織と企業組織が学生というリソースをやり取りするダイナミズムを捉える本研究においては、昨年度の研究結果より両組織がやりとりするリソースは学生だけではなく、各大学のキャリアセンターが対内外への情報提供及び組織内調整機能を果たすことが明らかとなった。本年度の研究内容は1)大学(学校)と企業の仲介機能をもつキャリアカウンセリング団体へのインタビュー調査、2)社会人と大学生が参加するキャリア開発団体へのインタビュー調査、3)公立大学キャリアセンターとのキャリア形成支援講演会の共催、4)組織間関係論および産業組織心理学に関する文献調査、5)大学教員対象の質問紙調査の5点である。意義として、大学の機能拡充は大学教育の在り方自体の見直し経緯の一環として行われており、その方向性は学士教育の質保証に沿うことが明らかとなったものの、課題として1)教育と研究の重点配分が大学経営の方針によって大いに異なり一般化が困難、2)組織間協働の機能を果たす機関としてキャリアセンターを研究対象としたが実態は継続性・専門性の不足と責任範囲の不明確さ等により期待される役割を十分に果たせていないことが明らかとなった。このことは平成22年度より実施された文部科学省『就業力育成支援事業』を各大学がどのような学内機関と所属員で構成し実施しているかという背景と直結する重要な点といえる。大学がユニバーサル化を迎え全入時代と言われて久しい中、社会人を教育育成する機関として大学の在り方が問われる上で本研究が捉えた社会と大学間のBridging Organizationたる機能を果たし得る機関や満たすべき条件について、さらに今後研究を進めてゆきたい。
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Research Products
(1 results)