2009 Fiscal Year Annual Research Report
組織能力向上のメカニズムに関する分析概念の構築とその検証
Project/Area Number |
21730316
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Research Institution | Chiba Keizai University |
Principal Investigator |
坂本 義和 Chiba Keizai University, 経済学部, 准教授 (70350288)
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Keywords | 企業経営 / 持続的競争優位 / 経営戦略 / 組織能力 / 戦略経営 / マネジメント / 組織学習 / イノベーション |
Research Abstract |
本研究は、企業の成長要因として着目されている組織能力概念について、組織能力をマネジメントによって操作されるものとして定義づけし、そのマネジメント要因を精緻化することを目的としている。特に組織能力の向上という現象について、どのようなマネジメント要因と関わるか、換言するとどのようなマネジメントの仕掛けにより組織能力は向上するのか、という問題を検証することを目的としている。平成21年度はその目的に沿って、1:文献調査による既存研究の整理的検討、2:独自の組織能力概念構築、3:資料収集による個別事例調査、4:インタビューによる個別事例調査、5:アンケート調査による大量観察分析、といった5つの研究計画を立案したが、ほぼ計画通り実施した。1、2は既存研究を検討した上で、本研究独自の組織能力概念の構築に至った。なおその成果を平成22年度研究においてその成果を日本経営学会関東部会例会にて発表する予定である。3、4は台湾のエレクトロニクス企業を対象とし検討した。特に台湾に渡航することで現地企業や日本企業の台湾子会社についてインタビュー調査を行った。5は他のプロジェクトに参加し、1部2部上場製造企業を対象にアンケート調査ならびにその検討を行った。平成21年度の調査は、本研究全体の基盤となる概念規定の構築を中心に行ったものであるが、その成果である組織能力概念の構築に至ったこと、またその概念の批判的検討の際に必要になると考えられる個別企業調査、個別企業インタビュー調査、アンケートによる大量観察調査を遂行したことは、本研究の目的達成を考慮した場合、平成22年度以降の研究を円滑に進めることを可能にした意味で十分な意義があったと考えられる。
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