2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730317
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
寺畑 正英 東洋大学, 経営学部, 准教授 (20328644)
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Keywords | 人的資源管理 / 人事制度 / 普及プロセス / 人的資源管理 |
Research Abstract |
平成23年度も引き続き、人的資源管理の領域で議論されている人事制度をレビューし、その普及プロセスを分析した。具体的には、職能資格制度と目標管理、360度評価に関して、企業における採用状況とその導入意図、そして、実際の運用状況について調査した。これらの人事制度は多くの日本企業で採用されているが、企業によってその活用方法が異なり、多様性が存在する。新しい人事制度が導入され、運用されるときに、本来の意図通りに活用され得ない要因をいくつか検討し、整理した。一つは、新人事制度が当該企業における既存の制度と整合的ではない、というものである。もう一つの可能性は、新人事制度の解釈のプロセスで制度の意味づけに関して何らかの歪みが生じた、というものである。この何らかの歪みについては、詳細な検討を必要とするので、次年度の課題としたい。一方で、これらの新しい制度が多くの企業に伝播し、採用されるプロセスを説明するフレームワークの精緻化も行った。具体的には、新制度論とネットワーク理論を検討し、それらを人事制度の普及プロセスに適用する可能性について、引き続き議論した。類似の環境にある個体群は類似の制度を採用するという主張はマクロのパターンを分析するためには望ましいが、ミクロのプロセスに関して了解可能ではない。そこで、ネットワーク理論の知見をいかして、組織間で新しい制度などが普及するメカニズムを解明する試みを行った。これらのメカニズムを解明するモデルと現象との整合性を検討するという側面に関しては、次年度以降の課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膨大な文献の整理に時間を取られているため、アンケート調査やインタビュー調査が十分に行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
調査内容に関しては、アンケート調査でなくても、文献の整理でも十分に期待される成果が得られると思われるため、その作業とインタビュー調査に重点をおいて、研究目的の遂行を図りたい。
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