2009 Fiscal Year Annual Research Report
製品アーキテクチャ、コア・コンピタンス、情報技術との関係-国際比較調査
Project/Area Number |
21730323
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
朴 英元 Waseda University, 高等研究所, 助教 (90526485)
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Keywords | 製品アーキテクチャ / コア・コンピタンス / 情報システム / 自動車産業 / エレクトロニクス産業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日韓米の製造桑における製品特性と組織のコア・コンピタンス、そして情報システムの導入・利用との関係を明らかにすることである。具体的に、CAD、SCM、ERP、PLMなどのITシステムを取り上げ、製品アーキテクチャおよび組織のコア・コンピタンスとの関係を分析し、国家間の差異を究明し、効率的ITシステムの利用の方法を提示することを目的にしている。 2009年度には、日本の製造業界の企業と韓国企業を中心にインタビュー調査を実施した。インタビュー調査では、各企業の情報システム導入のプロセス、製品開発、生産、そして販売における情報システムの利用の実態、情報システムの成果と問題点を明らかにすることに焦点を合わせた。具体的に企業の製品開発、生産、販売、ITシステムの担当者とのインタビュー調査を行い、導入された情報システムが組織のコア・コンピタンスや製品アーキテクチャとどのような関係にあるか、そしてその成果はどうなっているかを重点的に分析した。 2009年度の成果を予約すると、産業ごとの製品アーキテクチャは異なっており、自動車産業よりエレクトロニクス産業のほうがモジュラー化の傾向が強く、その場合製品開発スピードも速くならないといけないが、日本企業の場合、市場への対応が鈍く、高い技術と品質によって差別化を図るインテグラル型の製品開発とIT利用の傾向がみられた。それに対して、韓国企業の場合、エレクトロニクス産業であれ、自動車産業であれ、モジュラー化への傾向が強く、それをサポートするための経営の意思決定とIT利用が明らかになった。とりわけ、ITシステムはこうした速い経営の意思決定のサイクルをサポートするツールとして用いられ、韓国グローバル企業の独自の競争優位をもたらすようになったことが分かった。2009年度の成果は、論文2本、国際(国内)学会の報告3回によって発信している。
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