2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本における病院版コーポレート・ガバナンス論の確立
Project/Area Number |
21730330
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小島 愛 立命館大学, 経営学部, 准教授 (80513192)
|
Keywords | 病院経営 / コーポレート・ガバナンス / トップ・マネジメント / NHS / パフォーマンス |
Research Abstract |
前年度までの段階で、イギリスのブレア政権時以降のNHS(National Health Service)改革において、医療費が拡大するとともに、医療供給体制が大きく変化していることに着目するようになった。それをもとに今年度は、医師の供給体制の動向について改めて文献レビューを行ったあと、いくつかの仮説を持って、エセックス州のブライマリーケア・トラストのディレクターなどに対するインタビュー等を行い、仮説の検証をした。その結果、プライマリーケアを施すイングランド全土のクリニック(約160のプライマリーケア・トラスト傘下に、約8,000のクリニックがあり、各クリニックに総合医が勤務する)においては、女性医師の割合が半数以上にのぼり始めている。それに伴って、クリニックにおける医療従事者の勤務形態も勤務時間などの面で多様化した。一方で、クリニックの運営はいくつかの組織としての問題を抱えるようになっていることが明らかになった。そして、イギリスでの医師の配置・勤務体系作りは、日本での医師等の供給体制に関する議論に示唆を与える。これまでも注目し文献レビューなどを行ってきたが、大学病院や自治体病院などの運営と医療従事者の雇用問題に関する議論に生かすことができる。以上の研究成果は、仮説検証も終えて、すでに論文を執筆し推敲も済ませたので、平成24年度の早い段階に論文投稿できる予定である。論文投稿が完了次第、積極的に、国内外の学会において本研究の貢献を発表したい。
|