2011 Fiscal Year Annual Research Report
日系海外子会社における国際人材に関する研究‐本社の人的資源管理施策の視点より‐
Project/Area Number |
21730334
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中村 志保 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20389191)
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Keywords | 国際人的資源管理 / 多国籍企業 / 国際人材 / 日本企業 / 本社 / 人材育成 |
Research Abstract |
本研究は本社人事部の人的資源管理施策が海外子会社における本国従業員、現地従業員、第三国籍従業員の管理職以上の登用にどのような影響を及ぼすのかということを明らかにすることを目的としている。 今年度はこれまで2003年、2006年、2009年に行った4社の事例研究の整理を行い、論文にまとめ、国際学会で報告を行った。ここでは、2003年から2009年の6年間に海外子会社の社長の現地化比率が高く、海外派遣者比率が低く、本社への逆出向者や第三国籍従業員数が増加した(グローバル人材の活用)G社の事例を取り上げ、G社本社の人的資源管理施策との関連について、また、この本社の人的資源管理施策とG社の業績との関連についても検討を行った。その結果、本国従業員に対するグローバル人材としての教育訓練、そして現地従業員に対する本社でのトレイニー制度やインパトリエイト制度などの教育訓練の充実がグローバル人材の活用を促し、さらにはこのことが企業業績を増大させる傾向に南ることが明らかになった。評価・報酬制度とグローバル人材活用との関連については今後の課題としたい。 今年度はこれに加えて、年度末の3月にE社欧州統括会社を訪問し、インタビュー調査を行った。その目的は、本社の人的資源管理施策が地域統括会社においてどのように施行され、それがどのようなプロセスにおいてグローバル人材の活用につながっているのかということを明らかにするためである。特に、本社で行っている現地従業員のトレイニー制度やインパトリエイト制度が現地従業員のその後の定着やキャリアにどのような影響を及ぼしているのかについて着目した。これらの調査結果については、今後、整理し、論文としてまとめた上で報告を行う予定である。
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