2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730346
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
閔 庚ヒョン Waseda University, 商学学術院, 助手 (40508206)
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Keywords | 非合理的購買情報処理 / 環境的要因 |
Research Abstract |
21年度は、主に22年度実施予定の店舗実験に向けて必要機材等を確保すると共に、先行研究の実験データやその結果を収集し、それに基づき実験設計の再検討と補完作業を行った。なお、購買情報処理過程に影響を与える先行変数の誘因効果を検証するべく、無作為に抽出されたサンプルを対象に、評価難易度の相違により発現される購買態度形成の類型的特徴を確認するための測定項目別事前調査を行った。本調査では、まず同一条件のニつの商品に、それぞれ異なった選択オプションを加え、その後発現される選択手続きの相違を観察した。その結果、購買情報処理過程が、合理的・非合理的購買情報処理のニつの形態に分類されることが確認された。なお、属性情報の評価に基づいた情報処理過程において、選択に伴う効用値の最適化作業における属性間の優劣関係が、選択的注意により歪曲されることを防ぐために、調査の際、選択肢となる各商品に関連する諸条件を十分注意して読むことを求めた。それと同時に、両選択肢に追加するオプションを、評価難易度の高いものと、比較的平易なものにそれぞれ設定し、後者における両選択肢の中、一方にのみ環境的要因や通念の操作を行ったものを提示した。その結果、評価難易度の相違に対し、各操作オプションが二つの情報処理過程にどのように影響するかについて、次のような暫定的結論が導出された。1.評価難易度の高い属性関連オプションを追加した場合、属性情報間の優劣関係が容易に見出せず、一定の感情状態から態度へ帰属されるような情報処理が行われた。2.評価難易度の低い属性関連オプションを追加し、さらに環境的要因を提示した場合、成果不一致が一度棄却され、共有主観を経て態度に帰属された。 今後は、槙擬店舗で実施される実験を通じて、ニつの情報処理過程の経路間相関関係や選択手続きにおける誘因別の同時的影響について、より詳しく検証していく予定である。
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