2010 Fiscal Year Annual Research Report
トヨタ生産方式の応用による小売業の経営効率化に関する研究
Project/Area Number |
21730347
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
坂田 隆文 中京大学, 総合政策学部, 准教授 (40367652)
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Keywords | トヨタ生産方式 / 経営効率化 / 流通 / 小売業 |
Research Abstract |
現在、多くの小売業者の売上高の伸びが頭打ちしており、成長鈍化によって苦戦を強いられているのは周知のとおりである。このような状況においても小売業を対象とした既存研究の多くは「他社との競争に打ち勝つことによりいかに売上高を伸ばすか?」という観点から議論を続けており、一部の例外的な業績を除いて、研究成果を挙げられていない状況にある。一方、現実の小売業者の中には、国内市場における成長鈍化は避けられない状況だという認識のもと、売上を伸ばすことなく利益を伸ばす、あるいは維持する方法を模索している状態にある。本研究においては、このような状況を踏まえ、小売業者が「いかに利益を伸ばすか?」という観点から小売市場における競争分析の新基軸を提供することを目的としている。 本科研では、上記の研究目的のもと、既存研究の総括とトヨタ生産方式を流通業に応用した先端事例を調査するという2つの作業を行ってきた。特に後者に関しては、小売業以外の業界(たとえば、医療業界)の事例を参照しながら、どこが、どのように最先端といえるのかということを深く掘り下げるよう試み、既存研究と具体的な事例を架橋するよう心がけている。 これらの活動は、『1からのリテールマネジメント(仮)』という書籍に掲載される論文を執筆することにより、今後、成果として公表する予定である。トヨタ生産方式を流通業に応用した事例の紹介・分析は、既存研究の中でも、特に日本の流通業においては希少であり、この研究成果は非常に意義があることと思われる。
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