2011 Fiscal Year Annual Research Report
トヨタ生産方式の応用による小売業の経営効率化に関する研究
Project/Area Number |
21730347
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
坂田 隆文 中京大学, 総合政策学部, 准教授 (40367652)
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Keywords | トヨタ生産方式 / 経営効率化 / 小売業 / ビジネスモデル / マネジメント |
Research Abstract |
本研究は「小売業者が売上高を伸ばさなくとも利益は維持・成長できる仕組みを模索する」という研究目的を果たすために、理論研究と実証研究という2つの柱を構築すべく、売上高が伸びていない、あるいは減少している企業の中でも、効率化を遂げることにより利益を伸ばそうとできている企業としてユニーの事例を分析した。 その研究成果は流通科学大学商学部清水信年教授と共編著で上梓する『1からのリテールマネジメント』として碩学舎より出版する予定である。特に、申請者が担当した第5章「品揃えのマネジメント」は、ユニーの事例を用いながら効率的な品揃えを行うために本研究課題であるトヨタ生産方式をどのように応用・活用しているのかを解説しており、一定の研究成果として挙げることができる。 そもそもトヨタ生産方式を流通業に応用した事例の紹介はいまだ十分になされているとは言い難く、本研究成果は研究上の一定の意義が認められるのではないだろうか。ただし、本研究成果には大別すると3つの課題が残されたままである。それは第一に、トヨタ生産方式の流通業への活用事例を収集するために、本研究で扱ったもの以外の事例を収集することである。第二に、複数事例を一般化すべく、理論的含意について検討を深めるということである。そして最後に、その理論的含意が流通論や商業論にどのような意味をもつのかということについて検討することである。これらの課題を果たすことにより、トヨタ生産方式を小売業に応用した効率化に関する示唆が得られることになるであろう。
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