2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730349
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
長沼 健 Doshisha University, 商学部, 専任講師 (10454480)
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Keywords | 国際電子商取引 / 貿易取引の電子化 / 運送書類の変化 / 海上運送状 / 電子船荷証券 / 電子海上運送状 / イノベーションと制度の共進化 |
Research Abstract |
本研究では、国際取引におけるイノベーションと制度が相互に影響しながら共進化を遂げ動的に普及するという仮説の検証を最終目的としている。本年度の研究では、国際ビジネスで使用される貿易関連書類の中でもe-SWB(電子海上運送状)や海上運送状といった新しい運送書類に着目し、上記のイノベーションの普及に影響を与える要因を実証的に分析するために調査モデルを構築した。具体的には、日本の国際取引に大きな影響を与えている商社を対象に、それらの企業が運送書類を選択する際にはどのような要因が影響を与えているのかを、文献レビューと事例研究から考察し運送書類選択に関する分析枠組みと仮説を提示した。また、上記のモデルの妥当性を図るために、国内外の学会や国内の実務家が参加する研究会で発表し、多くの研究者や実務家と協議をおこなった。今後の研究予定は以下の通りである。現在、上記の調査モデルに従い、アンケートを作成中である。作成後は、貿易取引関連企業(商社やメーカーなど)へのアンケートの実施を予定している。そこで得られたデータをもとに、判別分析をおこない、e-SWBと海上運送状の普及に影響を与える要因を解明したい。また、2010年10月に発効が予定されているロッテルダム条約(Convention on Contracts for the International Carriage of Goods Wholly or Partly by Sea)の条文に新しいイノベーション(e-SWBや海上運送状)そして新しい商慣習(元地回収船荷証券)がどの程度反映されているかを考察する予定である。以上の研究結果から、国際取引におけるイノベーションと制度が相互に影響しながら共進化を遂げ動的に普及するという仮説を実証する。
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