2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730363
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 京子 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (10345366)
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Keywords | IPO / 親子上場 / 系列(Keiretsu) / ガバナンス / 所有構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本市場の新規株式公開(Initial Public Offerings, IPO)に特有の要素(たとえば、子会社の支配権を維持したまま上場させるといった特徴的なガバナンス構造とそれに関連すると思われる会計行動)を取り込んだ新しい視点から、各IPO企業の個別リスクを推定し、それがIPOアノマリー(公開価格、市場におけるプライシング、公開後の中長期パフォーマンス)に与える影響について明らかにすることにある。 研究初年度である本年度は、まず、定量的分析の基本となるデータベースの拡張に優先的に取り組んだ。IPO前の個別企業に関するもっとも詳細な公表情報は目論見書であるため、データデータベースの拡張作業のために2001年以降のIPOに関する目論見書のPDFファイルを収録しているeol ESPerを購入し、さらに補助要員を雇用することで、目論見書に掲載されている定性的・定量的情報を1件ずつ手作業で収集し、計算可能な形に変換するという膨大な時間のかかる作業を効率的に進めることができた。また、独創的なリサーチデザインを確立するために、これまで時価発行増資における利益調整行動に関する共同研究を行って来たLiming Guan教授(University of Hawaii)らと討議を行うともに、世界各国から多くの研究者が参加する国際会議(Asian Finance Association 2009 conference)に参加することで、主にファイナンス領域における最新の研究成果の収集を行った。
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