2010 Fiscal Year Annual Research Report
サプライヤーの選別,モニタリング,評価の動態的プロセスに関する研究
Project/Area Number |
21730366
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大浦 啓輔 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (20452485)
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Keywords | 管理会計 / 企業間関係論 / 会計学 |
Research Abstract |
本研究は,サプライヤーの選別からモニタリングと評価を含むインタラクティブなプロセス全体を解明することを目的としている。なお,本研究は,近年国際的に注目を集めつつある組織間管理会計領域の既存研究の延長上に位置づけられる学術的な意義とともに,グローバル調達や系列取引の変容などの実務的な意義を重視して研究を進めている。本年度は,サプライヤーの選別からモニタリングと評価を含む組織間マネジメントのプロセスを双方向的かつ動態的な視点から記述するためのフィールド調査を継続的に実施した。とりわけ,バイヤー・サプライヤー間で,どのような会計情報(あるいは会計以外の情報)が重視され,どのような局面で,どのように利用されているのかということを前年度から引き続きインタビューを主とした調査方法によりヒアリングしているが,今年度はバイヤー・サプライヤー間でのアカウンタビリティ(説明責任)の構造にも着目した。これに関連して,当年8月には,オランダVU大学へ赴き,当該領域で国際的に活躍しているDekker教授からの助言を得る機会をいただいた。現在は,これを参考にインタビュー結果について取りまとめを行っている段階である。またこれらのフィールド調査と平行して,既存文献の渉猟についても継続的に行っている。その成果については,『管理会計研究のフロンティア』(加登豊ほか編著,2010年)の第11章「組織間管理会計研究の回顧と展望」に当該領域の経験的研究を中心としてとりまとめをおこなったレビューを公刊した。また近年,フィールド調査だけではなく,実験室実験等の知見も蓄積されているが,これらについては別途文献レビューを行った。後者の成果については,来年度夏頃に公刊される予定である。
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Research Products
(1 results)