2011 Fiscal Year Annual Research Report
サプライヤーの選別,モニタリング,評価の動態的プロセスに関する研究
Project/Area Number |
21730366
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大浦 啓輔 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (20452485)
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Keywords | 管理会計 / 組織間管理会計 |
Research Abstract |
本研究では,組織間管理会計研究の一つの重要なテーマとして,サプライヤーの選別からモニタリングと評価を含むインタラクティブなプロセス全体を解明することを目的として設定した。とりわけ,サプライチェーンを構成する複数の組織間で,どのような会計情報(あるいは会計以外の情報)が重視され,どのような局面で,どのように利用されているのかということを前年度から引き続きインタビューを主とした調査方法によりヒアリングした。この定性的な調査と質問票調査結果に基づき,サプライチェーンを構成する荷主と物流企業間での組織間コントロール構造とリスク要因との関係をインタビューおよび郵送質問票調査から得られたデータをもとに経験的に検証した。定量的な分析の結果,契約,期中モニタリングおよび業績評価,共同問題解決の4つのコントロール方法に対し、リスク要因として外部環境要因,内部要因,関係的要因の与える影響の分析を行い,それぞれのコントロール方法に与えるリスク要因が異なることを検証した。その結果については,Japanese Operations Management and Strategy Association(横浜国立大学)や,日本管理会計学会2011年度年次大会(関西大学)において学会報告を行った。またこれらの定量的調査および定性的調査とあわせて,既存文献のレビューについても継続的に行っている。2010年度に公刊した『管理会計研究のフロンティア』(加登豊ほか編著,2010年)の第11章「組織間管理会計研究の回顧と展望」の後に発表された組織間管理会計領域の国内外の文献レビューをまとめ,『企業会計』誌に掲載した。本年度は,本研究機関の最終年度であるが,総じて当初の研究計画をおおむね遂行でき,上記のような研究実績を残すことができたと考えている。
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Research Products
(5 results)