2009 Fiscal Year Annual Research Report
効果的な品質コスト・マネジメントに関する総合的研究
Project/Area Number |
21730368
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
梶原 武久 Kobe University, 経営学研究科, 准教授 (30292080)
|
Keywords | 品質コスト / 予防コスト / 評価コスト / 失敗コスト / PAFアプローチ |
Research Abstract |
平成21年度の研究活動として、先行研究のレビューによる研究課題の認識、日本企業による品質コスト・マネジメントの先進実務情報を収集するためのヒヤリング調査、フィールドスタディを実施するための研究サイトの探索を行った。 先行研究のレビューの結果、原価企画や組織間コスト・マネジメントの文脈で品質コストを取り上げた研究が極めて限定的であることが明らかになった。また、サブライチェーンによる品質コスト・マネジメントやソフトウェア開発における品質コスト・マネジメントを、研究上の重要な課題として認識した。 ヒヤリング調査の結果、日本企業において、ものづくり環境の変化が、品質管理コスト曲線と失敗コスト曲線の双方を上方シフトさせていること、これらの品質コスト曲線の上方シフトが、日本企業が従来から用いてきた不良率等の物量指標に反映されないこと、その結果として、多くの日本企業が、品質コスト曲線の上方シフトを測定するための手段として品質コストを測定していることが明らかになった。ヒヤリング調査で見いだされたこうした品質コスト測定のメカニズムについて、定量的なアンケートデータを用いて検証を行った。分析の結果、ヒヤリング調査の結果示唆されたメカニズムが概ね支持された。研究成果については、米国会計研究学会管理会計部会において研究報告を行った。 本年度は、フィールドスタディのための研究サイトの開拓に力を入れた。平成22年度は、日本科学技術連盟主催の品質コスト研究部会参加企業、半導体製造装置メーカー、鉄鋼メーカー等を対象としてフィールドスタディを実施する予定にしている。
|
Research Products
(3 results)