2010 Fiscal Year Annual Research Report
コーポレート・ガバナンス構築における財務諸表監査の機能に関する実証研究
Project/Area Number |
21730375
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Research Institution | Fuji University |
Principal Investigator |
佐久間 義浩 富士大学, 経済学部, 准教授 (20512065)
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Keywords | 財務諸表監査 / レピュテーション / コーポレート・ガバナンス / 監査報酬 |
Research Abstract |
本研究の目的は,コーポレート・ガバナンスを構築する上で,財務諸表監査がどういう位置づけにあるかを検証することにある。 本年度は,前年度までの成果(監査人のレピュテーションの喪失によって,クライアントの株価が有意に下落するかどうかを調査)をふまえ,監査人のレピュテーションを形成する要因について検証をおこなった。あわせて本年度は,主要な先行研究の精読を行うとともに,随時,最新の研究にも接し,文献収集に努めた。 本年度おこなった研究は,監査法人のレピュテーション,監査法人の専門分野,そして監査報酬との関係を,主に先行研究(Craswell et.al.[1995]など)で用いられたモデルを用い,それぞれの関係を分析した。サンプルは,東京証券取引所一部上場企業を対象として行っている。 その結果,先行研究と同様に,監査報酬と監査法人の専門性の高さの関係が見いだされるとともに,それぞれとレピュテーションとの関係についても有意な結果をえた。 したがって,こういった結果から監査人のレピュテーションを構築する要因として,監査報酬や監査法人の専門性が影響している点を明らかにした。 以上の調査結果を,アメリカ会計学会において報告した。
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