Research Abstract |
本研究の目的は、フリークエンシー・プログラム(FP)の意思決定情報機能としての有効性を明らかにしその戦略的管理会計への適用可能性、および顧客関係性が企業価値に与える影響を示すことである。 本年度は(1)21年度に実施したアンケート調査の結果についてのまとめと対外発表を,(2)企業間の顧客関係性構築が株式所有関係がある場合,どのような影響があるかについて実証分析と今後の研究方針の決定をした。 (1)に関しては,21年度に実施したアンケート調査,および21年度末から22年度にかけて実施したインタビュー調査に基づいて対外発表を主に行った。そして計画通り,23年度は,海外学会発表1(査読付,フルペーパー提出),国内発表2,論文1本(査読付)を発表することができた。 なお,フリークエンシー・プログラムの定着化が見られたため,平成23年度中にアンケート調査を再度行い,経年分析をする予定でしたが,東日本大震災の発生により,研究を一時中断せざるを得なかったこと,また調査した企業も震災の影響を多大に受けていてサンプルとして適切ではないこと,という理由から,それを行うことはできなかった。これに関しては,研究課題として継続調査していく予定である。 また,(2)については昨年度に引き続き,主要顧客との取引の継続性だけではなく,株式の持ち合いをすることによって財務的成果に差をもたらすかどうかについても分析した。とくに国内外の研究では初めて株式保有とサプライチェーンの関係を示した。さらに,東日本大震災発生後,サプライチェーンの被害に関連する実態研究もおこなった。これは当初の研究計画にはなかったが,顧客関係性という点では重要な問題と考え,今後も行う予定である。なお,これらの課題IIについては,海外学会1(査読付,フルペーパー提出。),国内発表2,論文1本等を発表することができた。
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