2009 Fiscal Year Annual Research Report
会計利益の有用性にかんする利益の質の観点からの考察
Project/Area Number |
21730377
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
勝尾 裕子 Gakushuin University, 経済学部, 教授 (70327310)
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Keywords | 自己創設のれん / 利益の質 / 会計発生高 / 利益測定モデル |
Research Abstract |
研究の全体構想は、会計利益の必然性を探ることにある。会計利益がなぜ投資家にとって将来予測に役立つのか、会計利益の有用性はどのような利益の構成要素に起因するものであるのか、その理論的根拠を探る。今年度は,利益測定モデルを用いて,会計利益の特質を構成する重要な要素である会計発生高に着目し,それと関連する自己創設のれんに焦点をしぼって,それが利益の有用性に与える影響を考察した。主としてEdwards and Bell(1961)のモデルに依拠しながら,Alexander(1948)のモデルやLee(1975)の内容も考慮に入れたうえで,配当に関する条件や金融投資への再投資に関する条件の適否が結果に与える影響について検討し,利益測定モデルの精緻化を行った。モデルの前提条件を明らかにすることにより,利益の質に影響を与える重要な構成要素である自己創設のれんの大きさについて,より厳密に示すことが可能となった。 また,利益の質に関する先行研究のレビューとともに,自己創設のれんに関する先行研究のレビューも進め,それぞれに体系化と分類を試みた。利益の質に関する先行研究のレビューを進めるうちに,個別の構成要素について検討を進めるべきであることが明らかになったため,利益の質との関連が大きいと思われる構成要素である会計発生高に着目した。そのうえで,会計発生高と重要な関連を有する自己創設のれんについて先行研究のレビューを進め,自己創設のれんが財務報告から排除される理由についても歴史的経緯を含めて検討を加えた。
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Research Products
(2 results)