2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730379
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
西居 豪 専修大学, 商学部, 准教授 (30439517)
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Keywords | BSC / 戦略マネジメント / マネジメント・ロントロール / インターラクティブ・コントロール / 質問票調査 / 定量的分析 / 類型化 / コントロール・パッケージ |
Research Abstract |
本研究の目的は、1.先行研究のレビューから日本企業によるBSC実践を分類する基準を抽出し、2.抽出された分類基準を用いて実態調査から日本企業のBSC実践パターンを類型化し、3.類型化されたパターンとパフォーマンスとの関係を実証的に検証することにある。 本年度は、研究目的2・3を達成するために、東証一部二部上場企業(製造業、建設業、鉱業、水産・農林業)を対象とした質問票郵送調査を実施した、ただし、BSCの設計・運用内容に直接的な焦点を当てるというよりも、多様なコントロール実践を捉えられるように質問票を設計した。 質問票の設計にあたっては、さまざまなコントロール概念の理論的根拠や測定方法などについても検討を加えた。特に、BSCの利用方法を捉える中心的概念であるインターラクティブ・コントロールについては、先行研究の問題点を指摘し、その測定方法の改善を試みた。 質問票調査の内容は多岐にわたるが、研究目的2・3の観点から重要な学術的貢献として、下記の3点が得られたと考える。 (1)会議体や提供される情報の側面において、予算管理、方針管理、プロジェクト・マネジメント・システムなどの他の管理システムと比較とした場合、BSCは最も重要なシステムであるとは限らない。 (2)BSCの実践パターンは、PDCAサイクル、トップの関与、インターラクション、戦略の策定プロセス、重要視される目標といった観点から整理することができる。ただし、BSCは他の管理システムやコントロールと密接な関わりを有しており、それらも含めて包括的に捉えた方が、戦略マネジメントの実態やパフォーマンスとの関係を効果的に説明できる。 (3)業績や行動的影響は、戦略マネジメントの成果であると同時に、その在り方を規定する要因でもある。
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