2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730398
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野上 元 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50350187)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 戦争体験 / 戦争の記憶 / 戦争社会学 |
Research Abstract |
平成25年度の主な研究成果は、共編著1冊、書評2本、その他5本となった。 このうち共編著は、福間良明・蘭信三・石原俊と共に編者となった『戦争社会学の構想』である。研究課題の最終年度に刊行されたこの書物は、若手からベテランまで18人の執筆者が集まった、現時点での戦争に関する社会学的研究の最前線を表すものであり、本研究計画の課題と密接な関係を有している。本書のもとになったいくつかのシンポジウムの企画および本書全体の監修に加わったほか、高橋三郎論文の「解説」、「消費社会の記述と冷戦の修辞」の章を執筆した。ともに第二次世界大戦、アジア太平洋戦争といった「戦争」をより広い文脈のなかで位置づけてゆくための重要な作業となった。 また、書評は山本昭宏著『核エネルギー言説の戦後史1945-1960:「被爆の記憶」と「原子力の夢」』および島村恭則編『引揚者の戦後』という、本研究課題のテーマに密接に関係のある研究成果について執筆された。前者は『ソシオロジ』178号、後者は『図書新聞』3125号に掲載された。また、2つの座談会では、戦争・戦争体験を日本社会で考え続けることの意義や価値を一般の読者に伝えた。 また、研究期間内に印刷された成果とはならなかったが、奈良県立図書情報館の戦争体験文庫に聞き取り調査・文献調査を行い、公立図書館における戦争体験記(私家版を多く含む)や戦記物の取り扱いにつき、資料や証言をえた。ここで示唆されたことを踏まえ、全国の公立図書館に対して、戦争体験記の収蔵調査を行う予定であり、その準備に着手している。 また、愛媛県松山市の「坂の上の雲」まちづくりの試みについては、「地域社会と戦争の記憶」(野上2008)の枠組みを活かし、「日露戦争の記憶」と「アジア太平洋戦争の記憶」の対比という視点から調査を進めた。こちらも2014年度に公刊される予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|