2010 Fiscal Year Annual Research Report
サブカルチャー資本と若者の社交性についての計量社会学的研究
Project/Area Number |
21730402
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北田 暁大 東京大学, 大学院・情報学環, 准教授 (10313066)
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Keywords | 文化社会学 / コミュニケーション / サブカルチャー / メディア / 若者文化 / ファッション |
Research Abstract |
本研究の基本的な目的は、1993年に出版された宮台真司ら『サブカルチャー神話解体』以降、体系的に研究されてきたとはいいがたい若者のサブカルチャー、メディア・コミュニケーションのあり方を、主として計量的な手法を用いて、社会学的に分析・考察していくというものである。2007年度までに辻大介らと行った調査研究(「ネット右翼」についての社会学的調査)、および前年度予備調査の結果を受けて、質問項目を再検討し、マンガ、読書、音楽などの項目ごとに、コミュニケーション様式の諸類型と文化消費の様態、社会的資源、社会意識、政治意識などとの関連の分析などを統計的に検証することを目的として設定している。 本年度は、文化社会学・若者研究・システム理論についての理論的・方法論的バックグランドを精査しつつ、昨年度に行った予備調査(ウェブ調査)の結果を踏まえ、本研究の中核となるアンケート調査(「若者文化とコミュニケーションについてのアンケート」練馬区在住:1988-1990年生まれの2000人を住民基本台帳から無作為抽出。12月実施)を構成・実施した。回収率は32.5%であり、調査協力者の年齢、郵送法での実施等を鑑みた場合、十分に信頼性のあるデータを収集できたと判断している。1月以降は、個別の調査票の回答と入力データを対照させつつ、データクリーニングを行っており、精度の高い分析用のデータを構成中である。また平行的に質的なインタビュー調査および試行的な計量分析を進めており、来年度にその成果を公表する(23年度5月頃にはその成果の一部を踏まえた論文が浅野智彦他編『若者の現在 文化』日本図書センターに収められる予定である)。
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