2011 Fiscal Year Annual Research Report
ローカル局とCATVの地域メディアとしての機能に関する研究
Project/Area Number |
21730424
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大谷 奈緒子 東洋大学, 社会学部, 准教授 (50364716)
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Keywords | 地上波デジタル化 / ケーブルテレビ / ローカルテレビ / 地域メディア / 地域メディアの機能 |
Research Abstract |
平成23年(2011年)7月の地上波デジタル放送への完全移行は、在京キー局だけでなく、ローカルテレビ局およびケーブルテレビ局へも大きな影響を与えている。これまでローカルテレビ局は在京キー局とネットワークを結ぶことによって全国放送の一端を担うとともに、県域の地域関連情報を提供する地域メディアとしての役割も果たしてきた。しかし、在京キー局の衛星放送サービスへの参入、デジタル化への投資負担、「マスメディア集中排除原則」の段階的な緩和、放送外サービスの多様化などを理由として、ローカルテレビ局の社会的機能について検討する時期にあるといえる。他方、テレビ放送のスタート期よりテレビ放送を補完する機能を果たし、さらに地方において地域情報メディアとしての役割を担ってきたケーブルテレビ局は、情報通信インフラを活かした総合情報通信メディアとして将来的に期待されており、通信ネットワーク化とデジタル化によって実現する従来のケーブルテレビの枠を超えたサービスを展開している。 そこで本研究では、テレビ局、ケーブルテレビ局を対象に「放送メディアの地域メディア機能に関する調査」を実施し、デジタル化の現状と課題について把握するとともに、地域メディアとしての役割と将来的展望について考察を行った。その結果、ローカル局は放送外サービスの多様化に対応しつつも、新しいビジネスモデルを模索中であり、デジタル化によってサービスは多様化するものの、放送メディアの社会的機能については従来通り果たしていく方針がみられる。ケーブルテレビ局も多様なサービスを展開するものの、従来果たしてきた地域メディアとしての機能も重視している知見を得た。 これらの成果は、『ローカル局とCATVの地域メディアとしての機能に関する研究』(平成21年度~平成23年度科学研究費補助金若手研究(B)研究成果報告書、平成24年3月)としてまとめた。
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