2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本型ポピュリズムの論理と心情――大都市無党派層の実証研究
Project/Area Number |
21730428
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
松谷 満 Toin University of Yokohama, スポーツ健康政策学部, 講師 (30398028)
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Keywords | 政治社会学 / ポピュリズム / 社会意識 / 無党派層 / 都市政治 |
Research Abstract |
ポスト55年体制期の都市政治において、無党派層を含め圧倒的支持を得た知事が相次いで誕生しているという状況に着目し、その支持構造をポピュリズムという観点から実証的に明らかにする、というのが本研究の目的である。具体的には、石原慎太郎東京都知事、橋下徹大阪府知事の支持構造を分析し、(1)価値意識において新保守主義的な支持構造が共通してあるのか、(2)価値意識以外の支持要因とは何か、(3)誰がどのような論理と心情において支持しているのか、の三点を解明する。 本年度は、東京都および大阪府において本研究の目的にそった質問紙調査を行った。それぞれ1,500サンプル、計3,000サンプルを無作為抽出し、10~11月に郵送調査を実施した。結果、977の有効回答票を得ることができた(有効回収率33.4%:不達等をのぞく)。12月以降は、回収した調査票の入力、コーディング、クリーニング等の作業を行い、単純集計・クロス集計の結果からデータ全体の概要の把握に努めた。本調査の実施過程では、研究協力者らと積極的に意見交換を行った。 次年度は関連学会で分析結果を報告するとともに、研究協力者らとの共著を刊行する予定である。本研究は、現代日本政治を社会変動論の枠組みから捉えなおし、新たな対立軸およびそれにより現出する(しうる)政治変動を解明するという全体構想のなかに位置づけられるものであり、並行して行っている社会的ミリューの研究、地方政治の比較研究とあわせて既存の政治学的研究では十分にとらえきれなかった現代日本の政治一社会の全体像を描き出したいと考えている。
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Research Products
(1 results)