2009 Fiscal Year Annual Research Report
デュアル・キャリア社会の条件としての「柔軟な結婚」についての実証研究
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21730433
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
筒井 淳也 Ritsumeikan University, 産業社会学部, 准教授 (90321025)
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Keywords | 家族 / 親族 / 人口 / ワークライフバランス |
Research Abstract |
平成21年度の課題として計画したものは、以下の2つである。それぞれの成果について記す。 1.ワークライフバランスについての文献研究 日本の家族研究分野における研究アジェンダは、男女平等および就業における機会均等の実現のための実態分析および政策提言、次に少子化の深刻化を受けた90年代からの晩婚化・晩産化の要因分析という流れで進展をしてきた。ところが00年代以降は、若年層における不安定雇用の増加など経済不況を受け、家庭内分業と市場労働との両方を政府の政策と伴にモデル化できる福祉レジーム論に収束しつつある。そこで、ジェンダーの観点からの福祉レジーム論についての最新文献をレビューし、その一部をウェブサイト等で公表した。また、日本の文脈でのワークライフバランス研究の流れについて、3月に行われた国際ワークショップにおいて成果を報告した。 2.既存データの基礎分析 主にISSP-2002のミクロデータおよびOECD等の国際機関提供のマクロデータを統合したデータを、家事分担研究に焦点を当てて行った。その成果の一部は論文に仕上げている。内容としては、家庭内分業における男女の貢献が多くの国で補完的になっているというデータを示し、さらにその補完性が市場労働の平等性と連動しているということを示している。つまり、市場労働の均等化が家庭内分業の平等化を合理的なものにしている、という結論である。これは2010年度4月のアメリカ人口学会(査読有り)で報告する。
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