2011 Fiscal Year Annual Research Report
中高年齢者の地域貢献活動を促進する地域システム要因と生活構造要因の研究
Project/Area Number |
21730434
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
宍戸 邦章 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (10460784)
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Keywords | 中高年 / ソーシャル・インクルージョン / ボランティア活動 / 地域活動 / 社会貢献 / 地域福祉 / 生活構造 / 地域システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、中高年のソーシャル・インクルージョンに影響する地域システム要因と個人の生活構造要因を定量的および定性的調査から検討し、地方自治体の政策課題となっている地域福祉の推進に寄与することである。H23年度は、H22年度に実施した東大阪市中高年ボランティア・市民活動調査と日本全国を対象としたJGSS(日本版総合的社会調査)の比較分析を行い、東大阪市の特徴や政策課題に関する知見を得た。具体的には、(1)自治会の状況がボランティア活動を規定する重要な要因の一つであり、住民互助組織がソーシャル・キャピタルの醸成に貢献していること、(2)東大阪市は全国と比較して20~50代のボランティア参加率が低く、PTAなどの活動頻度や組織率の影響が考えられること、(3)町丁目レベルのデータ分析より、自営業層が少なく、平均年齢が若く、共同住宅が多い地域でのボランティア活動が低調であり、個人属性に加えて居住地の地域特性がボランティア活動への参加に影響を及ぼしていること、などである。また、H23年度はJGSSプロジェクトに含まれる日韓中台の国際比較調査(EASS)において、「東アジアにおける社会的ネットワークと社会関係資本」に関する調査を実施した。この調査にはボランティア活動に関する調査項目が数多く含まれており、その国際比較分析のための準備として回答選択肢や翻訳の等価性に関する研究を進めた。また、東大阪市内の世代間交流に関わるボランティア活動について、参加者の意識・行動が時間経過に伴ってどのように変化したのかを、若年パネル調査データの分析から進めた。さらに、地域団体やボランティア団体への参加が主観的健康観(幸福感)に及ぼす影響についても研究を進めた。現在、東大阪市社会福祉協議会より地域福祉活動計画に関する社会調査の企画・実施を依頼されている。今後も継続的に東大阪市を事例地域とした研究を進め、地域福祉の推進に本研究の成果をいかす。
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Research Products
(9 results)