2009 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護におけるアフターケア-その援助概念と方法の検討
Project/Area Number |
21730441
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉余子 Saitama University, 教育学部, 准教授 (10389702)
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Keywords | 児童養護施設 / アフターケア |
Research Abstract |
さまざまな理由で親・保護者に養育されずに、児童養護施設等の社会的養護下で育った子どもたちが、社会的に自立できるよう支援するには、施設入所中のみならず、退所後においても継続的に支援を続けることは重要である。本研究は、児童養護施設におけるアフターケアの援助概念と援助方法について検証し、インケアからアフターケアへの連続性ある養護実践のあり方とその実現に必要な要素について明らかにすることを目的としている。初年度である平成21年度は、全国の児童養護施設を対象に3種類の調査票によるアンケート調査を実施した。調査票(1)は「施設票」として、施設として実施しているアフターケアや実践に際しての工夫点や課題等について回答を求めた。調査票(2)は「退所児童個人票」として、平成20年度に退所した子どもに関する情報(退所理由、退所後の状況など)を収集した。調査票(3)は「アフターケアの事例票」とし、前年度に実施したアフターケアの中から1事例を選定してもらいエピソード記述を求めた。これら3種類の調査票のうち調査票(1)と(2)の分析を行ったところ、アフターケアが困難なケースの傾向として以下の内容が明らかとなった。 (1)退所までの経緯や退所理由において「強引な引取」「施設と児相の見立ての相異」がある事例 (2)親/子が外国籍の事例 (3)家庭復帰後に遠方に転居した事例 (4)他施設に措置となった事例 また、「中卒就職ケース」においては、その後2年以内に「他施設に入所」となる確立が高い結果となった。 次年度以降は、これらの結果の分析及び調査票(2)の分析をさらに進めるとともに、有効なアフターケアを展開するために必要な条件整備等について考察していきたい。
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