2011 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護におけるアフターケア-その援助概念と方法の検討
Project/Area Number |
21730441
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉余子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10389702)
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Keywords | 児童養護施設 / アフターケア |
Research Abstract |
本研究3年目(最終年度)となった平成23年度においては、以下の2つの調査研究を行った。 (1)アンケート調査の分析 平成21年度に実施した児童養護施設を対象としたアンケート調査において収集した、アフターケア1,239事例の分析を量的・質的の両側面から行った。質的分析は、キーワード・イン・コンテクスト(KWIC)→用語カウント・用語分析→シェーマ分析の手順で行った。その結果、以下のことが明らかとなった。 (1)入所期間3年以内で退所するケースの多くは家庭復帰である (2)入所期間10年以上になると家庭復帰ではなく自立(満年齢)退所ケースがほとんどである (3)里親委託や問題解決型の家庭復帰ケースでは子どもが6歳以下であることが多い (4)アフターケアが実施しやすいのは問題解決・軽減型家庭復帰ケースと卒業就職措置解除ケース (2)児童養護施設退所者へのインタビュー調査 児童養護施設での生活経験者5名を対象としたインタビュー調査を実施した。結果、以下のことが明らかとなった。 (1)自分が在所していた時に働いていた施設職員の退職後は施設への足は遠のく (2)子ども時代に親から酷い目に遭わされたと感じていても、親は親なので仲良くしたいと思っている (3)退所後に「実はあなたの家族(血縁)です」と名乗り出てきた人が大勢おり戸惑った (4)施設で一緒に生活した仲間との絆は強くて深い (5)今も時々(被虐待体験の影響から)情緒不安定になる。どこに相談したらいいのかわからない (6)退所後に仲良くなった人たちに「自分は施設出身だ」と打ち明けるタイミングが難しい
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