2010 Fiscal Year Annual Research Report
基本所得がジェンダー秩序に与える影響に関する研究:脱商品化・脱家族化の観点から
Project/Area Number |
21730452
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
堅田 香緒里 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (40523999)
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Keywords | ベーシックインカム / フェミニズム / 脱商品化 / 脱家族化 |
Research Abstract |
本研究は、基本所得とフェミニズムの交差に立脚しながら、基本所得がジェンダー秩序に与えうる影響を検討し、それをフェミニスト社会政策として練り直していくための予備的作業を行うことを目的としている。 基本所得(ベーシックインカム:以下、BI)をめぐる議論は近年盛んになりつつあるが、その多くは未だにジェンダーに無自覚だと指摘される。他方でフェミニズムの側も、BIを「家事労働への支払い」と矮小化して捉え、さほど検討しないまま批判的に捉えている向きが多い。こうした事情を反映してか、BIとフェミニズムの交差はこれまであまり論じられてこなかった。その一つの理由に、「口止め料か、解放料か」と言われるような、BIの女にとっての両義性を挙げることができる。それは、性別分業、自律的な所得保障へのアクセス権、女の劣等なシティズンシップ等、多岐に渡って論じられてきた。本年度は、これら多岐に渡る論点を整理し、BIとフェミニズムという二つの主張が生産的に交差していくための予備的考察を行った。とりわけ、性別役割分業に対するBIの含意を、BIの類似政策であるケア提供者手当および参加所得との対比において明らかにし、査読制論文にまとめた(堅田2010)。
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Research Products
(3 results)