精神障害者のセルフスティグマ尺度日本語版の作成および信頼性・妥当性の検討

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21730453
• Research Institution: Tokyo Metropolitan University
• Principal Investigator: 松長 麻美 首都大学東京, 健康福祉学部, 客員研究員 (70511129)
• Keywords: リハビリテーション / 社会福祉関係 / 社会系心理学 / 看護学 / 社会医学

Research Abstract

本年度は、精神障害者のセルフスティグマ尺度日本語版の作成および信頼性・妥当性の検討にあたり、調査実施機関への依頼および調整を行った後、(1)フォーカスグループインタビュー、(2)質問項目の検討および修正、(3)質問紙調査を行った。(1)フォーカスグループインタビューでは、地域で生活する精神疾患を有する者を対象としてインタビューを実施し、昨年度に日本語訳を作成した本尺度について、内容のわかりやすさ、質問文の心理的侵襲性、実施可能性等について意見を求めた。この結果を元に(2)質問項目の検討および修正を行った。ここでは、質問文をより分かりやすいものとするための質問文の変更、心理的侵襲性を減少させるための逆転項目の追加といった修正を加えた。修正後の尺度は、グループインタビュー参加者に再度提示し、確認を得た。また、修正後の日本語版尺度を英語を母国語とする翻訳者によって逆翻訳したものを原著者に送付し、原著者に原文との意味的な一致の確認を得ると共に、修正部分についての許可を得た。その後、作成した暫定版尺度の信頼性および妥当性検討のため、(3)質問紙調査を実施した。ここでは、暫定版精神障害者のセルフスティグマ尺度日本語版、Rosenberg自尊感情尺度、特性的自己効力感尺度、Recovery Assessment Scale、WHO-QOL26、人口統計学的変数を含んだ質問紙を用い、精神科医療機関外来を利用している精神疾患を有する者を対象とした自記式質問紙調査を実施した。この結果より、精神障害者のセルフスティグマ尺度日本語版の信頼性、妥当性の検討を行った。