2009 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険施設における介護職員の労働環境改善に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21730454
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
東野 定律 University of Shizuoka, 経営情報学部, 講師 (60419009)
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Keywords | 社会福祉関係 / 介護 / 介護保険 |
Research Abstract |
介護福祉施設では、心身に重篤な介護を必要とする入居者が年々、増加している。このため人員配置が低い夜勤介護職員への負担は高まっている。しかし、介護保険制度実施後、夜勤介護職員の業務内容に関する資料はほとんどなく、その実態はよくわかっていない。 そこで本研究では、介護職員の夜勤業務の実態を調査し、入所者に提供されている介護業務量と、介護職員の属性や精神的・身体的負担、勤務形態などの関係を明らかにすることから、夜勤における介護業務体制についての標準モデルを提示することを目的としとしている。 初年度である平成21年度では、介護保険施設およびグループホームにおけるサービスコードによる介護業務量の実態把握を目的とし、介護保険施設およびグループホームにおいて、夜勤帯における1分間タイムスタディ調査を実施し、各施設の夜勤業務の実態について、その業務時間および具体的な内容について把握した。 この結果、夜勤勤務者の全業務時間のうち、身の回りの世話に関する業務は約6割、また会議・記録等に関する業務は約3割を占めていた。具体的な介護業務としては、「食べ物を食べさせる」が全体の8.8%、次いで「ケース記録への記入」が多く、さらに「おむつの除去・装着」、「更衣動作全介助」と続き、夜勤帯の介護に記録に関する時間が長いことがわかった。 今後は、要介護者の心身状況と夜勤帯に提供された介護内容に関する分析や提供された介護内容と職員の属性(性別、離職率等)及び身体的・精神的負担に関する分析、施設ごとの夜勤体制とその内容について実証的なデータの統計的分析を進める。
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