2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730455
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
全 泓奎 Osaka City University, 都市研究プラザ, 准教授 (00434613)
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Keywords | 東アジア / ホームレス / 居住支援 / 居住福祉 / 社会的不利地域 / 居住貧困 / 社会的排除 / ハウジング・ファースト |
Research Abstract |
本研究は、グローバル化やそれに伴う産業再編によって、都市の再構築が進められてきた東アジアにおけるホームレス支援モデルの類型化を図っていくことを目的としている。そのため、東アジアの先進都市におけるホームレス化と社会的排除との関連性について、実証的で総合的な調査手法を包括的に用いながら実地調査に取り組んだ。今年度は、日韓比較に重点を置いて調査を進め、とりわけ、非常に劣悪な居住状態でホームレスとの相関性が高い人々の居住地に対する研究、そして日韓のホームレス居住支援策についての研究を行った。簡単に概要を述べると以下の通りである。まず前者の研究からはその成果をまとめ国際学会にて発表を行い、同時に学術論文集にも掲載された。また学内のワーキングペーパーとしても掲載された。その内容は、ホームレスとの相関性が高くその日の収入如何ではホームレス生活を余儀なくされている人々の居住地の調査を行い、当該地域の再生や居住者の生活および居住支援のあり方を模索したものである。とりわけ、地域との関連性という視点からホームレス問題を捉えようとした点に独創性がある。そして後者の研究は、日韓の複合的な居住支援策を比較したものである。その成果については、日韓両国の学術大会にて報告を行った。今年度は、日本の調査結果の分析に焦点をあてて成果報告を行ったが、次年度は、韓国の調査内容の分析についても引き続き論文および学会報告を行う予定で進めている。内容は、これまでのホームレス支援における一般解であった「路上→施設→自立」という伝統的な支援システムのやり方を払拭する形で、「路上→支援付き住宅」あるいは「施設や劣悪な住居→支援付き住宅」という住宅を第一にしたホームレス支援策を試みてきた両国の居住支援プログラムに焦点を当ててその有効性を比較分析した研究である。
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