2010 Fiscal Year Annual Research Report
障害者自立支援法施行による中途障害の意味の変容プロセス-ライフコースの視点から
Project/Area Number |
21730456
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田垣 正晋 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (30347512)
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Keywords | 障害者 / 質的研究 / 障害者自立支援法 / ライフコース |
Research Abstract |
受障から長期が経過している、脊髄損傷者への再インタビューに着手し始めた。予定している10名のうち6名にインタビューを、1人あたり2時間弱程度行った。もっと進める予定だったが、協力者の都合上、10名全てには実施できなかった。質問項目は、ここ10年間の生活の変化、障害者福祉制度の変化に伴うサービスの使い方に関する変遷、障害者に対する社会意識の変遷などである。データの分析をしていないため、研究の焦点である、意味づけの揺らぎは、明確には確認できていない。ただし、これまでの簡単な検討から判断すれば、意味づけの揺らぎという考え方自体を理論的に深める必要があるといえそうである。 昨年度に引き続いて、上記のインタビュー項目や分析を検討するために、障害者のライフコースに関する理論の整理、既存データの再分析をおこなった。障害者の心理社会的研究に関する最新の研究成果、米英の障害学に関する原著、我が国の障害者福祉の文化的特徴に関する外国文献を読み進めて、広い意味での文化的特性に関する知見を深めるように努めた.既存データの再分析に関しては、外国の学術雑誌に投稿誌審査を受け、現時点では1つは採択された。 方法論的な知見を深めるべく、質的研究のみならず量的研究とのミックスメソッドの文献を読み進めている。今後、方法論に関する論文に仕上げる予定である。 これらの作業で得られた知見は、昨年度と同棟、大阪府、府下市町村等の障害者施策やニーズ調査に活用していただくように、担当職員に説明を行った。
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Research Products
(2 results)