2011 Fiscal Year Annual Research Report
福祉用具の継続的な利用が障害者のQOLに及ぼす影響に関する研究
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21730459
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
徳田 律子 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (40316435)
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Keywords | 福祉用具 / 継続的利用 / QOL |
Research Abstract |
前年度までの研究成果より、福祉用具に対する工夫といった主体的な取り組みの実態を明らかにする中から、福祉用具の継続的な利用が地域に暮らす障害者のQOLに及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。 調査の結果、福祉用具に対して問題があった人の方が福祉用具に何らかの工夫を加えていることが明らかとなった。さらに、福祉用具の種別ごとにみると、福祉用具に対する問題があったことに対して、福祉用具に何らかの工夫を加えているのは、車椅子などの移動用具を利用している人であることであった。加えて、福祉用具に対する工夫内容は、福祉用具の種類別にみると、特に移動用具において多様性がみられ、一つ一つの工夫は大きな変更ではないものの、自己の生活ニーズに応じた変更内容であるという実態が明らかとなった。 このような工夫という行動特性の視点から分析したところ、日常の生活上で工夫を行なったり、日常生活上で便利な道具を利用することに対しては、個々人の社会関連性が大きく影響していることが明らかになった。一方で、福祉用具に対する工夫という行動に関しては、そうした社会関連性との相関関係は確認されなかった。これらの結果は、似たような工夫するという取り組みの行動においても社会関連性やQOLとの関連は同様の傾向を示さないことを示唆している。同様の行動特性であっても、福祉用具の利用とは異なる背景要因があるのはなぜか、どのような要因があるのかなど、さらに詳細に明らかにしていくことがより質の高い福祉用具利用の促進に向けた今後の課題である。
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