2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニュージーランドにおけるひとり親世帯への自立支援政策とその効果に関する調査研究
Project/Area Number |
21730460
|
Research Institution | Tohoku University of Community Service and Science |
Principal Investigator |
武田 真理子 東北公益文科大学, 公益学部, 准教授 (80337245)
|
Keywords | ニュージーランド / 社会保障 / 自立支援 / ひとり親世帯 / 地域コミュニティ |
Research Abstract |
本研究は、ひとり親世帯を主対とし、ニュージーランドのしい社会保障制度であるWork & Income(以下、WI)並びに当該研究実施期間中に本格実施されたCommunity Link(以下、CL)による自立支援の具体的な方法と内容、ならびにその効果を明らかにすることを目的としている。ニュージーランドでは、行政サービスの縦割りによる無駄を省き、長期失業者やひとり親への総合的な支援に取り組むことを目的とし、1998年に社会保障制度の改革を行い、所得保障給付の支給、職業紹介・就労支援、各種教育・訓練サービス制度の紹介・受講支援から個人・家族を対象としたソーシャル・ワークまでの総合的なサービスを同一事務所、同一相当者を通して提供するためのWIを全国各地に設置した。さらに、2008年からはWIが地域の福祉サービス事業著、NPO、企業等のコミュニティ組織とより緊密な連携を図るためのCLの設立が開始され、フォーマルとインフォーマル・サービスが一体となった自立支援のしくみが全国各地に構築されつつある。3年計画の本研究の目標は、WI(ならびにCL)の10年間の具体的な実績の調査・分析とひとり親世帯のケース・スタディを通して、ニュージーランドにおける自立支援政策の効果を検証することである。2年目の平成22年度は、主管庁である社会開発省におけるヒヤリング調査を実施し、CLの設立経緯、政策目標、各地への展開の戦略等について情報を収集した。その上で、炭鉱閉鎖に伴う地域経済の衰退、ひとり親世帯の増加などの課題を抱えるHuntly CL、首都ウェリントンに隣接していながら工場撤退等で衰退し、太平洋島嶼民が多く住むNaeNae CLを訪問し,WI職員と地域コミュニティ組織のスタッフへのインタビュー調査からCLの運営内容の実態、多様な支援者による協働の内容、ひとり親世帯への支援内容等について明らかにした。(2月、3月の両国における地震の影響で研究計画の一部について平成23年度に実施することとなった。)
|
Research Products
(1 results)