2009 Fiscal Year Annual Research Report
シルバー人材センターにおける退会者問題と就業支援事業に関する研究
Project/Area Number |
21730463
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
原田 謙 Jissen Women's University, 人間社会学部, 准教授 (40405999)
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Keywords | 高齢者 / シルバー人材センター / 仕事満足度 / プロダクティブ・エイジング |
Research Abstract |
本研究は,シルバー人材センターの退会に関連する要因を明らかにすることを目的とした.退会者という組織から離れていった人びとに焦点をあてることによって,今日のシルバー人材センターが抱えている問題点を検討した. データは,桜美林大学加齢・発達研究所が実施した「シルバー人材センターでの就業に関する意識調査」から得た.調査対象となるシルバー人材センターは,国庫補助対象センターの30%を無作為抽出した(46都道府県の279センター).個人調査のサンプルは,279センターに現会員と退会者の各5%を抽出してもらい,11,073人が抽出された.本調査は,2003年に,郵送調査法によって実施し、有効回答数は5,553(有効回答率50.1%)であった. 分析の結果,第1に「仕事仲間」および「発注者側の態度・対応」に関する満足度が高い者ほど,シルバー人材センターを退会する傾向が低かった.一方,「配分金」や「就業体制」に関する満足度は,退会とは有意な関連がみられなかった.第2に,センターで事務職の仕事を希望する者は,その他の仕事を希望する者に比べて退会する傾向が2倍以上であった.この影響は男性および三大都市圏において顕著であり,センターが受注する仕事と会員が希望する仕事のミスマッチの問題が示唆された.第3に,センター以外のところで就業している日数が多い者ほど,退会する傾向が高かった.この影響は,男性および地方圏において顕著であり,再就職活動の一環としてセンターに関与している高齢者の存在を示唆していた.
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Research Products
(1 results)