2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者支援に向けた地域住民のエンパワメント・プログラムの評価方法に関する研究
Project/Area Number |
21730469
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Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
渡辺 裕一 Health Science University, 健康科学部・福祉心理学科, 准教授 (70412921)
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Keywords | 地域住民の高齢者支援パワー / エンパワメント・プログラム / 地域包括支援センター |
Research Abstract |
地域包括支援センターの社会福祉士との研究協議の結果,民生委員の力を高めることが地域の高齢者の生活を支援する上で重要であるとの認識を得た.そこで,複数の民生委員児童委員協議会(以下,民児協)に調査を依頼し,民生委員の「地域住民の高齢者支援パワー」を尺度によって測定し,パワーに影響を与える要因を検討した.介護保険制度の認知度が高い場合に,地域の高齢者支援パワーが有意に高いということが明らかになった.自ら制度等を理解しようとする積極性を持った民生委員は,地域の高齢者支援パワーが高いという可能性が示唆された.民生委員の意欲を高めるアプローチを検討することで,地域の高齢者支援パワーを高められる可能性が示唆された. また,民児協への縦断的調査を実施し,民生委員へのエンパワメントのアプローチ前後での「地域の高齢者支援パワー」の変化を検討した.アプローチとして,民児協において地域包括支援センターとの協働を呼び掛け,互いの地域における役割について共有した.その結果,調査実施主体である地域包括支援センターへの相談は増加したと考えられるものの,地域の高齢者支援パワー尺度得点への影響は認められなかった. 次に,エンパワメント・プログラムの開発検討を目指して,A市地域包括支援センターとの協働により,A市内の旧町村ごとにひとつの自治会を選定し,合計6自治会を対象としてアンケート調査を実施した.現在,分析中ではあるが,地域の歴史や状況,ニーズは自治会ごとに異なっており,エンパワメント・プログラムの開発は市単位で検討されるべきではなく,小さな自治会ごとを対象に検討されるべきであることが明らかになってきている.今後の分析・検討により,地域ごとのエンパワメント・プログラムのあり方を検討していきたい.
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