2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知症ケアの高度化に資する専門職養成プログラム開発―デンマークをモデルにして―
Project/Area Number |
21730473
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
汲田 千賀子 Nihon Fukushi University, 福祉社会開発研究科社会福祉学専攻博士課程, 大学院生 (80387844)
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Keywords | 認知症高齢者 / 家族 / ソーシャルワーク / 専門職養成 / 追加教育 / デンマーク |
Research Abstract |
本研究では、認知症ケアの専門職の向上のためデンマークの認知症の教育システムについて取り上げた。今年度の研究では、高齢者ケアに従事する者すべてが、認知症の基礎教育を就職後に受けている実態が明らかになった。そのため、認知症の理解や知識というレベルでは、極端な差がない。また、認知症ユニットおよび、グループホームなど、認知症高齢者ケアを中心にしている専門職は、さらに認知症に関する追加教育を受けていなければケアすることができないとされており、より専門的な知識技術をもっている。このことは、認知症高齢者ケアにおいては、身体介護ができるというレベルでのケアが難しく、より知識と技術が要求される高度専門職であることを意味する。 一方で、認知症高齢者およびケアする家族を他機関と連携しながら支えていく役割を担っているのが、「認知症コーディネーター」である。今年度は、認知症コーディネーターに対するヒアリングを行い、その職務を具体的に明らかにした。認知症コーディネーターの資格を持つ者は、プライセンターやグループホームで勤務している者と、自治体に勤務している者がおり、後者は在宅生活を送る認知症高齢者を地区和気して担当している。本人と家族の状況を継続的に見ながら、サービスのコーディネートをしていくのも仕事であり、本人と家族と話し合いながら決めていく。また、高齢者の認知症が重度にならないうちに、この先今の自宅では生活ができなくなるということを説明し、そのような状況になったらどこに転居したいかをあらかじめ話し合って決めておく。どのようなサービスを利用しても、認知症の症状が重度化きても、プライセンター付きの住宅に引っ越すまでは、継続的に認知症コーディネーターが関わる。そのことによって、長期間同じ人が自分たちの支援をしてくれるという安心感と、長期的で継続的なソーシャルワークを可能にしていることが明らかとなった。
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