2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会におけるNPOのアドボカシー――事業化をめぐって――
Project/Area Number |
21730476
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
秋葉 武 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00340480)
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Keywords | 非営利組織論 / 社会福祉学 / 協同組合論 / 政治学 / 国際情報交換 / 日本:韓国 / 民族誌 / データベース |
Research Abstract |
「NPO」のアドボカシーをテーマとした本研究では、他の外部資金も充当しつつ、沖縄県および韓国における市民社会組織(NPO)、とりわけ社会的企業を手がかりりとして本調査を実施した。前年度の研究で従来のNPO活動の前提であった「政策の連続性」が流動化していることを踏まえ、ケーススタディは上述の組織を対象とした。 沖縄県では、2010年より県によるソーシャル・ビジネス支援が開始された。それに伴い、県より選定されたNPOに資源が投入され、事業化を成功させながら、その資源を活用したアドボカシーの展開が期待されている。先駆的ともいえるこれらケースについて、参与観察を実施した。調査の結果、事業化の成功と失敗が団体によって両極化しており、そのことがアドボカシーに影響していることが明らかとなった。 また、韓国では政権交代に伴い、社会的企業政策のドラスティックな変更があり、そのことが当該組織の事業、アドボカシーに大きな影響を与えていた。政府からの資源投入の大幅な削減に伴い、事業戦略、アドボカシーの見直しを余儀なくされていた。今後は政策の流動化に振り回されないコミュニティにおける社会的課題の可視化が求められていることが明らかとなり、その知見の整理、分析を行った。
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