2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会におけるNPOのアドボカシー――事業化をめぐって――
Project/Area Number |
21730476
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
秋葉 武 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00340480)
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Keywords | 非営利組織論 / 社会福祉学 / 協同組合論 / 政治学 / 国際情報交換 / 日本:韓国 / 民族誌 |
Research Abstract |
NP0のアドボカシーをテーマとする本研究では、他の外部資金を充当しつつ、前年度の調査の課題として残った(1)沖縄県といった、いわゆる条件不利地域の市民団体の本調査(2)韓国の市民団体の本調査を行うと共に、最終的なとりまとめを行った。 (1)では、沖縄県では2010年度よりソーシャル・ビジネス支援が開始され、市民団体に資源が投入されたものの、本格的な事業化には様々なハードルが横たわっていた。他方で、一部の市民団体は事業化によって獲得した資源を活用して、アドボカシーをさらに展開する事例もみられた。本研究では、アドボカシーを強化する事業化の要素を抽出し、とりまとめを行った。 (2)では、韓国では2007年「社会的企業育成法」が施行され、市民団体の急速な事業化が進行したものの、保守政権下でドラスティックな政策変更が実施され、市民団体の存立基盤に大きな影響を与えた。こうした逆風下ともいえるなかで、市民団体がいかなる事業展開を行い、アドボカシーを強化するかの要素を抽出した。 日韓の市民団体で外部環境は異なるものの、組織の事業環境や政治環境では共通する点も少なくなく、それらを整理し、とりまとめを行う過程で学会発表や論文発表を行った。2012年3月、共著『危機の時代の市民活動-日韓「社会的企業」最前線-』(東方社)を刊行することができた。また研究成果の社会的還元として、日本のNPOのコンサルティングを受託する等の成果を挙げている。
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