2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者福祉施設の職員による虐待行為の発生と繰り返しに影響を与える要因の探求
Project/Area Number |
21730480
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Research Institution | Tokoha Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
大村 壮 常葉学園短期大学, 保育科, 講師 (70523786)
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Keywords | 高齢者福祉施設 / 施設職員 / 職場内人間関係 / 不適切なケア |
Research Abstract |
平成23年度は、高齢者福祉施設の職員による虐待行為の発生と繰り返しに影響を与える要因の探求という本研究の目的に対して、文献研究とフォローアップ調査を実施した。まず文献研究では国内外の施設内虐待研究のみならず、家庭内虐待に関する研究も検討し、さらに高齢者福祉施設の職員のストレスやバーンアウト、そしてその軽減要因に関する文献や、施設内の上司と部下の人間関係や施設内の組織風土などに関する文献を検討した。そしてフォローアップ調査では、調査に協力した施設の施設長などの管理職者に調査の結果をフィードバックし、それに対する施設としての考えや今後の方針などについて調査した。その結果、自分の施設でどのような実態になっているのかを知りたいという施設長が多く、管理職者たちの多くは、施設の職員の意識や彼らの置かれた状況などについて、日常業務のなかで知ることの難しさを感じていた。また不適切なケアがあったとしたら、それを減らすにはどうすればいいのかといった疑問も聞かれた。ただし、施設によって状況は異なり、要因もさまざまであるため、本研究の結果からダイレクトに個々の施設に合わせた対策は難しいと考えられた。 そして施設から、認知症を患っている利用者や、元々粗暴な性格をした利用者による暴力や理不尽な言動が職員のストレスとなっている可能性が指摘された。つまり、職員は利用者からの暴言や暴力に耐えてケアを行なっている中でストレスを溜め込んでいるということである。今後、そのような利用者からの暴力などがどのように職員のケアに影響を与えているのかなどを検討する必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)