2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730481
|
Research Institution | Shoei Junior College |
Principal Investigator |
吉岡 洋子 Shoei Junior College, その他部局, 准教授 (80462018)
|
Keywords | スウェーデン / NPO / 児童福祉 |
Research Abstract |
本研究は、スウェーデンの児童福祉分野におけるNPOの実態を明らかにし、公的セクターとの関係を中心にNPOの役割を考察するものである。研究計画で示した三段階:1.歴史的側面を中心とする整理分析、2.NPOの実態に関する現地調査、3.アドボカシーとサービス供給の観点からの考察、に従い平成21年度は以下の研究成果をあげた。 第一に、児童福祉分野におけるNPOの歴史的な側面を整理分析するため、先行研究を多数入手して徹底的にレビューを行った。本テーマについて日本では殆ど情報がないため、今回スウェーデン語の文献・報告書やデータを用いて文献研究を行えたことの意義は大変大きい。今後の議論と考察に必要な理論的枠組みの土台を得ることができた。第二に、現地調査を都市部(ストックホルム市)と地方部(ヴェクショー市)の二か所で実施した。児童福祉分野で活動する、伝統的なまた新しいタイプのNPOでインタビューを行った。加えて、児童福祉行政でのインタビューと二か所の大学訪問を通じて、スウェーデンの児童福祉の制度的枠組み及び最新動向を確認し、現地研究機関・研究者との関係構築を実現できた。第三に、NPOのアドボカシー役割の部分に焦点をあてて考察し「日本NPO学会(第12回大会)」にて口頭発表を行った。今日のスウェーデンで浸透しているNPOのアドボカシー役割は、実は過表現在で様々に変容してきたサービス供給役割と組み合わさることで大きく発揮されているとの結論を得た。 NPOは、いかに独立性を保ちつつしかし同時に政府への影響力を発揮することができるのか、最も声をあげにくい立場にある子どもの福祉にとってNPOが有する役割とは何か、スウェーデンから得られる示唆は大きい。次年度は再度現地調査を実施し、最終的な考察に発展させる。
|
Research Products
(1 results)