2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730481
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Research Institution | Shoei Junior College |
Principal Investigator |
吉岡 洋子 頌栄短期大学, 保育科, 准教授 (80462018)
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Keywords | スウェーデン / NPO / 児童福祉 |
Research Abstract |
本研究は、スウェーデンの児童福祉分野におけるNPOの実態を明らかにし、公的セクターとの関係を中心にNPOの役割を考察するものである。平成23年度は、研究実施計画に沿って現地調査を実施し、それを踏まえて研究最終年度としての総合的な考察に取り組んだ。 第一に、現地調査としては、(1)NPOの実態調査「セーブザチルドレン」「ストーラシュンダール」、(2)NPO支援組織(Famna)の担当者と、児童福祉サービス(里親支援)を行うNPO事業者に対するヒアリング、(3)社会庁のNPO補助金担当者2名へのインタビュー、(4)NPO研究の拠点であるシュンダール研究所での文献調査と現地研究者とのディスカッション、を実施した。第二に、文献研究の残りとして、主にスウェーデンの社会的養護に関する先行研究を複数入手し、レビューした。これにより、NPO活動の基盤となる、スウェーデンの福祉制度や社会背景への理解を深めることができた。そして第三に、NPOのアドボカシーを支える大きな伝統的基盤として、NPOへの公的補助金の部分に着目し、北ヨーロッパ学会において学会誌への論文発表と地方部会研究発表を行った。結論として、スウェーデンで定着している団体補助金は、NPOの存在自体を支え、NPOの自発性・先駆性発揮を可能にしていることを示した。 平成23年度は以上の通り研究を進めた。その結果、本研究の目的であった、1)NPOの実態を明らかにする、2)公的セクターとの関係を中心にNPOの役割を考察する、の二点双方について、研究を発展させることができた。日本のNPO研究、北欧研究にとって、また児童福祉分野にとって、新たな知見を得ることができた意義は大きいものと考える。なお、最終的な総合考察を含む成果は現在作成中であるが、平成24年度じゅうに学会発表および論文発表を行う。
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Research Products
(3 results)