2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の当事者主権と介護者の権利・ケアの質保障を両立させる介護提供体制の研究
Project/Area Number |
21730484
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
森川 美絵 国立保健医療科学院, 福祉サービス部, 福祉技術開発室長 (40325999)
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Keywords | 社会保障 / 福祉政策 / 介護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者の当事者主権が、介護者の権利やケアの質とあわせて保障される介護体制のあり方を展望するという構想のもと、高齢者の当事者主権を促す給付モデルについて、自己決定の支援機能、介護者支援、ケアの質確保という3つの視点から検討し、ローカルな実践事例に立脚した分析を通じ、その充実・整備にむけた制度運営や諸アクター間の協働に関する課題および展望を提示することを目的とする。 2年次は、以下について実施した。 1)統計データを用いた日本の介護体制の国際的な相対化:OECD Health Dataを用い、介護給付パフォーマンスの国際比較、日本の相対的位置の分析を実施した。 2)当事者主権をベースにした地域での取り組みにおける中核的要素の検討:関東圏および地方での介護保険事業者のヒアリング・データに基づき、個別ケアの実現や当事者のエンパワメントを促すマネジメント機能、コーディネート機能のあり方を検討した。 3)「消費者主導の市場サービス」モデルと「市民権としての普遍的ケア」モデルとの関係および介護者の権利との関係に関する検討:フィンランドを事例に、介護制度の改革に伴うサービス供給の変容・人材確保育成・ケアの質管理に関する動向について、現地での情報収集を実施した。また、日本の介護保険制度の展開における、市民権の位置付け、介護者の権利・ケアの質管理の課題を検討した。 研究の成果は、以下のように形にした。単著論文1、国内学会での報告2、査読論文の投稿1(H23.5受理決定)、国際学会への報告申込1(H22.11受理)、招待論文の執筆1(承認済)。
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