2010 Fiscal Year Annual Research Report
曖昧な態度とはなにか:態度の動態的測定と2重態度理論による両面性の理解
Project/Area Number |
21730494
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
森尾 博昭 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80361559)
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Keywords | 社会的影響過程 / 社会的認知 / 匿名性 / 識別性 / 社会的アイデンティティ / 対人認知 / コミュニケーション / CMC |
Research Abstract |
前年度において行ったオンライン・コミュニケーションにおけるアイデンティティと匿名性の役割に関する理論的検討、および喫煙行動に対するオンライン調査の結果を踏まえて、実験室実験の実施準備を行った。具体的には、喫煙行動をテーマとした説得的コミュニケーションにおいて、態度の両価性が態度変容に及ぼす影響を検討するための実験計画を立案し、実施に必要な材料・道具の作成を行った。この実験では、自身および他者の喫煙行動についての様々な言説をメッセージとして受け取ったのち、認知的反応をマウス・パラダイムによって測定し、その後、態度を測定することにより、メッセージの説得的効果を調べる。マウス・パラダイムによって測定されるのは、認知的反応のうち、特に動態的性質であり、従来の紙と鉛筆による測定では得られない態度の両価性についての情報が得られる。 さらに、比較文化的研究の視点から、特に日本人の認知的反応において弁証法的思考が見られるかどうかを検討するため、英語圏における実験実施の準備を行った。実験の教示や手続き、刺激の英語への翻訳の手続きにおいては、バック・トランスレーションを行うことにより、通文化的な比較が行えるように注意した。 また、前年度において行ったオンライン・コミュニケーションにおける理論的検討の成果は、さらに一般の読者を対象とした書籍の一部として出版された。
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Research Products
(2 results)