2009 Fiscal Year Annual Research Report
病院組織におけるリーダーシップの共有型発揮形態の検討
Project/Area Number |
21730496
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
高口 央 Ryutsu Keizai University, 社会学部, 准教授 (00397936)
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Keywords | 集団 / リーダーシップ / shared leadership |
Research Abstract |
医療現場におけるリーダーシップ発揮形態が、看護師自身と患者へのケアに及ぼす効果を検討することを、研究の目的としている。具体的には、共有型リーダーシップ(shared leadership)として提唱される観点から検討を実施し、看護師個々人のリーダーシップの発揮に注目し、看護師チーム全体としてのリーダーシップの発揮形態が各看護師の意識変化、勤務意欲、およびインシデント発生率に及ぼす影響を明らかにすることを目指す。 当該年度には、当初3回に渡る調査を計画していたが、調査項目の選定等、協力病院との調整の過程もあり、7月、12月と2度に渡る縦断調査を実施することができた。本調査では、研究実施計画に基づき、リーダーシップ発揮の集団メンバー(病棟看護師)への分散形態を測定する指標、PM理論に準拠した三沢・田原・山口(2006)が作成した看護師版のリーダーシップ尺度、および看護業務における協力行動実践度、病院・病棟への所属意識、あわせて離転職意識などの結果変数への回答を得ることができた。現在、主にリーダーシップの分散形態に関する指標と結果変数との関連について、平成22年度以降の学会での結果公表・報告のため分析中である。現在、確認できている関連として、time1での分散形態指標と、time2での会合評価、モチベーターといったモラール、およびtime2での病棟と病院への勤続意欲とにポジティブな関連があることが確認できている。なお、この関連は看護師経験年数を統制しても有意な関連として確認することができている。 また、平成22年度についても、引き続き調査への了承が得られており、縦断的調査を継続する予定である。
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