2011 Fiscal Year Annual Research Report
病院組織におけるリーダーシップの共有型発揮形態の検討
Project/Area Number |
21730496
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
高口 央 流通経済大学, 社会学部, 准教授 (00397936)
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Keywords | 集団 / リーダーシップ / Shared leadership |
Research Abstract |
前年度までに行ってきた病院組織での縦断的調査の検討結果を基礎として、その一般化可能性を検討する端緒として、Web調査を計画、実施し、その基礎的解析結果について、集団研究を専門とする研究者との研究会で報告し、今後の研究計画の立案も視野に入れた意見交換を行った。前年度までの研究成果も含め、今年度の成果についても、所属学会等で結果を公表する予定である。以下に、現時点でのWeb調査の解析結果について述べる。 研究の目的は、1)リーダーシップの共有型発揮形態の規定因を検討すること、2)共有型発揮形態が持つ組織間・組織内・職種異動意図への効果を検討すること、3)共有型発揮形態と変革的リーダーシップとの関連を検討すること、以上の3点であった。前年度までの病院組織を対象とした検討を基礎として、この検討を行うため、さまざまな企業組織に属する20歳以上の回答者900名を対象として、属する職場の共有型発揮形態、自身の異動意図、直属上司に期待する変革的リーダーシップ行動、および属性情報(職場勤務月数、組織勤務月数、資格混在度等)の項目で構成したWeb調査を実施した。 全回答者の内、一般社員の有効回答(事務職41.1%、技術職28.2%、専門職27名7.9%、営業・販売職16.7%、人事・総務など2.1%、企画・開発職1.8%、その他2.3%)を対象にAMOSを用いた構造方程式によるパス解析を実施し、次の関連を示すモデルの高い適合度が確認された(GFI=.967,AGFI=.942,RMSEA=.047)。組織規模、職場月数、および転職経験の増大によって、リーダーシップの共有型発揮形態が促進されることを示す関連が認められ、その共有型発揮形態によって他組織転職(異動)意図、組織内での職場異動意図、職種変更意図が低減される関連が認められた。合わせて、共有型発揮形態が、交流的リーダーシップ・個別的配慮、理想化された行動・モチベーションの鼓舞、知的刺激という変革的リーダーシソプの希求を規定するとの関連も認められた。
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