2011 Fiscal Year Annual Research Report
双生児きょうだい間の社会交渉:個人効果と二者関係効果に関する発達行動遺伝学的研究
Project/Area Number |
21730497
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤澤 啓子 慶應義塾大学, 文学部, 助教 (00453530)
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Keywords | 行動遺伝学 / きょうだい関係 / 発達心理学 / 社会心理学 |
Research Abstract |
3歳時点(平均月齢=37.76ヶ月)の調査において、双生児のきょうだいが(一卵性73組,二卵性59組)、おもちゃを使って自由に遊ぶ場面7分間をビデオカメラで撮影した録画データをSibling InteractionSystemを用いて行動評定をおこなった。得られたデータを因子分析した結果にもとづき、「きょうだいへの志向性」因子得点、「ポジティブな情動」因子得点と「ネガティブな情動」因子得点をもちいて分析をすることとした。相関分析をおこなったところ、ポジティブな情動とネガティブな情動には正の相関があり、単胎児を対象とした先行研究とは異なる結果が示された。さらに、行動遺伝学分析をおこない、「きょうだいへの志向性」「ポジティブな情動「ネガティブな情動」がどのように関連しているか、複数のモデルを検証した。その結果、最良となったモデルは、異なる共有環境要因が、ポジティブな情動ときょうだいへの志向性の相関及びネガティブな情動ときょうだいへの志向性の相関をそれぞれ説明し、非共有環境要困がポジティブな情動・ネガティブな情動間の相関を説明するとするモデルであった。このことから、きょうだい遊びでは、ポジティブ/ネガティブな情動ときょうだいへの志向性がそれぞれに異なる環境要因を媒介として関わり合いながら構成されていることが示唆された。
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