2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポジティブ/ネガティブな自己認知が目標追求行動に与える影響
Project/Area Number |
21730499
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
尾崎 由佳 東海大学, チャレンジセンター, 講師 (50459434)
|
Keywords | 実験系心理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、どのような状況においてくどのような自己認知が、適応的な自己制御を促進するのか、その関係性を明らかにすることである。促進焦点が活性化している場合はポジティブな自己認知によって利得接近行動が増進され、予防焦点が活性化している場合はネガティブな自己認知によって損失回避行動が増進されるだろうという仮説を立てて検討している。 当23年度はこれまでに実施した研究を論文化するため、論文原稿2本の執筆および投稿を行った。1本目の論文は、平成22年度に行った再分析を中心にした論文である。具体的には、自己評価のvalenceと接近回避志向の相関関係について検討し、自己評価の肯定性は利得接近志向と正相関し、自己評価の否定性は損失回避志向と正相関することが、4つの調査研究を通じて一貫して示されたことを報告している。2本目の論文は、自己評価の肯定性・否定性と利得接近志向・損失回避志向の相関関係が、制御焦点の活性化操作によっていかに変化するかについて検証した研究の報告である。結果として、促進焦点を活性化させたときには、予防焦点を活性化させたときよりも、利得接近志向と自己評価の肯定性の正相関が強く示されるだろうという仮説1は不支持であったが、予防焦点を活性化させたときには、促進焦点を活性化させたときよりも、損失回避志向と自己評価の否定性の正相関が強く示されるだろうという仮説2について支持するものであった。 また、自己制御に関する文献の講読、および翌24年度に実施する実験準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」に記載した年度予定におおよそ沿うペースで実験が進んでいる。また、仮説を支持する結果が(部分的ではあるが)得られている。また、論文化についても、すでに刊行済みの論文2本、そして準備中の原稿1本の執筆を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
主な仮説を莱持する結果がまだ部分的にしか得られていないため、ひきつづき実験手続きを改善しつつ検討を重ね、安定した結果を出せるように試みる。また、主な仮説で想定している現象の基盤となる心理プロセスを解明するために、媒介要因の検証も進める。
|