2010 Fiscal Year Annual Research Report
知識と体験が大学生のコミュニケーション力に及ぼす効果の検討
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21730501
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
小川 一美 愛知淑徳大学, 心理学部, 准教授 (70345875)
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Keywords | コミュニケーション力 / 知識 / インターンシップ研修 / 大学生 / 社会人 |
Research Abstract |
本研究の目的は,大学生のコミュニケーション力を育成するために,コミュニケーション力に関する知識提供,インターンシップ研修という職場体験,コミュニケーショントレーニングの体験が,それぞれどのような効果をもたらすかを比較検討することである。平成22年度の主な研究成果は以下の通りである。 1.「コミュニケーション力」という概念に関するまとめ 平成21年度から行ってきた類似概念に関する先行研究のレビューおよび各種調査の結果,コミュニケーション力には,他者に適切に伝えるという力,他者から発信されたものを適切に受け取り理解するという力,自分と他者との関係やその場の状況を意識し,その場の目的に沿って自分や他者さらには状況をコントロールする力という3つの基本的な力が含まれていると考えられる。また,類似概念である社会的スキルが全般的な対人的相互作用場面を想定しているのに対し,コミュニケーション力はコミュニケーション場面に限定したものであるため,社会的スキルの一側面と考えられる。これまで「コミュニケーション力」という概念についてこうした定義が提供されることはなかったため,学会等で発表を行ったが,他の研究者達を含めたさらなる議論の発展が期待される。 2.「コミュニケーション力」を測定する尺度の作成 各働きかけの効果を検討するために,コミュニケーション力を測定する尺度の作成を行った。社会人と大学生を対象に働く上で求められる「コミュニケーション力」などについて調査を行った結果,「課題達成場面の記号化」「解読と察知」「活性化と配慮」「感情統制」という因子が抽出された(社会人と大学生のコミュニケーション力観の比較になどに関する結果は平成23年度の学会で発表予定)。現在,インターンシップ研修および講義形式による知識提供型働きかけの効果測定などを分析中であり,これらも平成23年度中に学会発表する予定である。
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