2011 Fiscal Year Annual Research Report
メディアの「選択性」が社会認識・対人関係に及ぼす影響の社会心理学的研究
Project/Area Number |
21730503
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
柴内 康文 同志社大学, 社会学部, 准教授 (60319457)
|
Keywords | 選択性 / メディア / 社会関係資本 / 社会的ネットワーク / インターネット |
Research Abstract |
近年発達したメディア環境のもたらす高度な「選択性」が、どのような社会-心理的影響をもたらしうるのか、特に(従属変数として)周囲の人間関係と社会認識の二側面に焦点をあてて、各種のデジタルメディア利用がもたらす選択性が与える影響、またそれらの相互関連性について検討することが本研究の中心とするテーマであった。 平成23年度は本研究計画の最終年度であり、前年度(平成23年3月)に大手オンラインパネルを利用して行った調査(一都三県居住の20代~50代男女、サンプル数2,611人、回収数1,507人、回収率57.7%)について、マスメディア接触、携帯電話・インターネット利用、対人的ネットワーク、および各種心理・行動項目等の変数を用いた相互規定関係の分析を行い、また既存の先行研究との関連についてそのレビューをふまえて考察を行った。 関連して、本研究における調査は2011年3月11日の東日本大震災を挟む形で実施されたため、取得されたデータは偶然にも震災経験前後にまたがることになった。このことは、震災がデータの性質にどのような影響を与えたのかについての検討を分析において当然に要請とすることとなるが、一方で本研究で取得されたデータは、震災前後の心理/行動変化を比較可能とする非常に貴重なものとなっている可能性がある。この震災の重大性に鑑みて、発災を前後し、また発災後の時間経過と共に情報行動、また心理反応に何らかの変化が見られるのかについてもあわせて検討を行った。
|