2011 Fiscal Year Annual Research Report
小、中学生、高校生を対象にした保護者参加型の携帯電話利用調査
Project/Area Number |
21730505
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Research Institution | Hijiyama University |
Principal Investigator |
古谷 嘉一郎 比治山大学, 現代文化学部, 講師 (80461309)
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Keywords | 保護者 / 児童生徒 / 携帯電話 / メディア利用 / 小学生 / 中学生 / ルール |
Research Abstract |
1.携帯電話利用に関する親子のルール共有と子どもの携帯電話利用の様態や家族コミュニケーションの関連を検討した。分析の結果、ルール共有されることによってインターネット上での悩みが少なくなる可能性が示唆された。また、ルール共有は家族での会話時間を増やす可能性が示唆された。 2.携帯電話利用ルールの有無が他者に対する寛容性に与える影響について、小、中、高の児童生徒を対象にして検討した。全体的にルールがあったとしても、過剰利用の傾向が高い生徒は自身を理解してくれない他者への嫌悪度が高かった。しかしながら、中学生については、ルールを適用している場合自分とは異質な他者に対して拒否感をそれほど抱かない可能性が示唆された。この結果は、ルールによって、携帯利用への没入がある程度阻害されることで、寛容性の低下を防いでいるといえる。 3.保護者と児童共同参加のメディア利用に関わる面接調査の実施を行った。特にリスクやメディア利用についての意識の差異を確認した。保護者、児童共に、対面とメールで非言語的情報量の差が異なることでコミュニケーションの困難さが異なることを指摘していた。しかし、児童は絵文字の利用を積極的に進めることで、非言語的情報を補完することを提案していた。加えて、携帯電話に関わるリスク意識を尋ねたところ、児童はどんなりリスクがあるかわからないと回答したり、不審者からの連絡といった事柄を回答していた。保護者は架空請求や詐欺、依存の危険に関する回答を挙げていた。 4.広島市教育委員会と共同で犯罪被害、加害にかかわるネットメディアリスクに関わる調査を実施した。分析の結果、メディアリスクは、個人情報漏えいに関わるリスク、ネット上でのアクティビティにかかわるリスク、ネット上での攻撃に関わるリスクの3種に分類できる可能性が示唆されている。さらなる分析を現在実施中である。
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Research Products
(6 results)